相模湾生物ネットワーク

- 相模湾生物データベースの作成 と 海洋生物の環境保全にかかわる教育活動 を行っています -


 1. 三崎臨海実験所と生物学について
 
 三崎は、神奈川県三浦半島の西南端にあり、相模湾の深海をひかえ、黒潮に乗って様々な生物がやって来る生物の宝庫です。

 東京大学三崎臨海実験所は、1886年(明治19)年に日本で最初の、世界でも最も古い臨海実験所の一つとして設立されました。それ以来、日本の動物学・海洋生命科学の研究・教育の中心として活動しており、多数の国内外の研究者や学生に利用されてきました。現在もその立地条件を生かし、主に海産無脊椎動物を用いて、発生生物学、細胞生物学、分子生物学、動物分類学など、幅広い研究活動を行っています。現在在籍している5人の教員は、連携を取り合い、協同して研究教育活動に当たると共に、それぞれが得意な分野で独自の研究活動を行っております。また、学部・大学院の研究教育活動は、東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻の協力講座Iとして活動を行っています。
三崎臨海実験所と相模湾

三崎臨海実験所へのアクセスはこちら

 2. 相模湾にすむ生物たちのデータベースを作る

 三崎臨海実験所では、平成12年度に採択された文部省科学研究費補助金地域連携経費「相模湾環境保全へ向けての生物保護区制定のための学術的研究(研究代表者・森澤正昭教授)」の一環として、相模湾に生物保護区を作ることを最終目標として、相模湾に関連のある研究機関や自治体と協力して、相模湾海域の生物種の全てを記録する活動を始めました。
 具体的には、相模湾産の生物種を同定し、その映像をデジタルカメラで撮影し、標本として保存し、全ての個体に通し番号を付けてコンピュータに登録することで、相模湾における詳細な生物データーベースを完成することを目的としています。これらの研究により、最終的には相模湾という一つの小宇宙の詳細な鳥瞰図が完成し、相模湾の生物保護区の実行に向けて、具体案を完成することができると考えました。

生物データベースに登録された生物の一部(左上から順に):
マメケラカイメン、ウメボシイソギンチャク、オオツノヒラムシ、ミサキヒモムシ、ホオズキチョウチン、ミスガイ
ツバサゴカイ、シマウミグモ、スベスベマンジュウガニ、ヒモイカリナマコ、ニホンクモヒトデ、ベンテンウニ
相模湾生物データベースはこちら


 3. 相模湾生物ネットワーク(SBnet)の設立と活動

 これらの研究を基礎とした生物保護区設立の趣旨を、より多くの研究者、一般市民、産業界に理解し、参加していただくことを目的として、また、相模湾での活動をモデルとして東京湾、全国の海、環太平洋、世界の海へと拡大していくことを夢見て、この活動に協力する人々のネットワークを作り、平成13年に「相模湾生物ネットワーク (Sagami Bay network; SBnet)」を設立しました。
 SBnetは、人々に広く相模湾の生物多様性を呼びかけ、市民参加による磯・干潟採集や実習船による採集調査を行ってきました。採集された生物は、生物データベースに登録され、これまでの活動で約480種、1500点もの標本と画像が登録されました。
  SBnetは研究者からなる学術研究組織に加え、この活動を支援して下さる方の組織作りが重要な役割を果たしています。支援組織は、神奈川県などの自治体、日本動物学会などの学会、自然保護協会などの協会、産業界、一般市民(ボランティア)で構成され、学術研究組織が主催するシンポジウム、勉強会などの啓蒙活動への参加のほか、採集調査に加わって活動への支援を行います。SBnetに登録された方は、SBnet事務局から、それらの活動や市民を対象とした自然観察会、施設見学会、シンポジウムなどの情報をメール等で受け取ることができます。


磯・干潟採集
潮の引いた磯や干潟で、石の裏や泥の中にいる生き物たちを探します。


実習船による採集(ドレッジ)
海底の砂や泥を採取し、その中にいる生き物たちを探します。


実習船による採集(プランクトンネット)
目の細かい網で、海の中に漂う小さな生き物たちを採集します。


 4. 今後に向けて

 「相模湾生物保護区制定のための学術的研究」は平成14年度を以って終了しましたが、海の環境保全にかかわる研究をさらに多くの人々に理解していただくため、また、支援組織に登録していただいた多数の市民の方からの要望により、SBnetは三崎臨海実験所を拠点として活動を継続しております。また、現在は、三浦市教育委員会と連携した子ども向けの実習、日本財団助成事業(平成17年度~20年度)における自然観察会、実習船の乗船体験会等の開催にも協力しています。

 今後は、情報公開を充実させ、さらにはこの活動を相模湾に限ることなく、日本の海、世界の海へと広げていこうと考えています。このような学術研究を基盤とした裾野の広い活動組織として、SBnetへぜひご参加下さい。

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子ども向けの実習  豊かな海づくりシンポジウム 自然観察会 木造和船の乗船体験 実習船の乗船体験と海底生物調査
 (子どもゆめ基金プログラム、H16年度) (神奈川県自然保護協会ほかと共催、H16年度)

(日本財団助成事業、H17~20年度)

(日本財団助成事業、H17~20年度

(日本財団助成事業、H17~20年度



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